【2027年労働基準法改正】①労働基準法の大改正とは?中小企業が今知っておくべき全体像

こんにちは。社会保険労務士法人やえざき事務所です。

2027年以降に施行が予定されている「労働基準法の大改正」をご存じでしょうか。

「まだ先の話では?」と思われるかもしれませんが、この改正は約70年ぶりの抜本的な見直しとも言われています。準備期間を考えると、今から情報収集を始めることが重要です。

本記事では、2027年労働基準法改正の全体像をわかりやすく解説します。

2027年の労働基準法改正はなぜ「大改正」と呼ばれるのか

今回の労働基準法改正が注目される理由は、単なる制度の微調整ではないからです。

従来の労働基準法は、「同じ会社で」「同じ場所で」「同じ時間に」働くことを前提に作られてきました。

しかし、現在の働き方は大きく変化しています。

  • リモートワークで自宅から働く社員
  • 副業・兼業で複数の会社と関わる人
  • フリーランスとして業務委託で働く方
  • 時短勤務やフレックスを活用する子育て世代

今回の改正は、この「法律」と「現実」のギャップを埋めるために行われます。2017年の働き方改革、2022年の人的資本経営の流れを受けた、10年にわたる変革の集大成とも言えるでしょう。

労働基準法改正で押さえるべき4つのポイント

現在検討されている改正内容は、大きく4つの方向性があります。

1. 多様な働き方への法的対応

労使協定の締結単位が、事業所単位から企業全体や事業部門単位に変更できるようになる見込みです。

これにより、本社と支店で別々だったルールを統一したり、部門ごとの実態に合わせた柔軟な制度設計が可能になります。

2. 労働時間規制の見直し

労働時間に関しては、以下のような変更が検討されています。

  • 労働時間の把握・開示の義務化
  • フレックスタイム制の清算期間拡充
  • 14日以上の連続勤務の禁止(検討中)

特に「連続勤務の上限設定」は、飲食・小売・介護などシフト勤務が多い業種に大きな影響があると予想されます。

3. 労使コミュニケーションの強化

過半数代表者の選出方法や役割が見直される予定です。

従業員の多様な声をより反映しやすい仕組みづくりが求められ、労使間のコミュニケーションがこれまで以上に重要になります。

4. 労務管理のデジタル化推進

勤怠管理システムの整備や届出手続きのオンライン化など、ITシステムへの対応が必須になってきます。

特に一定規模以上の企業では、労務管理と人事情報を連携させたシステム基盤の構築が求められる見込みです。

労働基準法改正のスケジュール|施行はいつから?

2027年労働基準法改正に向けたスケジュールは以下のとおりです。

時期動き
2025年末2026年通常国会への提出見送り決定
2026年後半臨時国会への提出の可能性
2027年以降施行予定

「提出見送り」と聞くと先延ばしに感じるかもしれません。しかし専門家の間では、論点が拡大・前倒しされているという見方もあります。

施行までの準備期間は約1年半と見込まれており、就業規則の改定やシステム対応が必要な企業は、早めの情報収集と準備が欠かせません。

北海道の中小企業にとっての労働基準法改正

「大企業向けの話では?」と思われるかもしれませんが、今回の改正は中小企業にとってもチャンスです。

改正のキーワードは「働き方の多様化」。これを上手に活用すれば、人材確保の武器になります。

  • リモートワーク制度で、道外の優秀な人材も採用対象
  • 柔軟な勤務制度で、子育て世代・シニア層を戦力化
  • 副業人材の活用で、専門スキルを取り入れる

北海道は広域で人材確保に課題を抱える企業も多いですが、制度設計次第で地方企業の強みに変えることができます。

まとめ|2027年労働基準法改正に向けて今できること

2027年の労働基準法改正は、約70年ぶりの大きな見直しです。

今からできることは3つあります。

  1. 情報収集:改正の動向を定期的にチェックする
  2. 現状把握:自社の労務管理体制を見直す
  3. 専門家への相談:不明点は早めに確認する

次回は「具体的な変更点と企業への影響」について、より詳しく解説します。

▼シリーズ記事▼

  • 第1回(本記事):労働基準法大改正の全体像
  • 第2回(2月公開予定):具体的な変更点と企業への影響
  • 第3回(3月公開予定):今から始める準備チェックリスト
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