【2027年労働基準法改正】②具体的な変更点と中小企業への影響を解説

こんにちは。社会保険労務士法人やえざき事務所です。

前回は2027年労働基準法改正の全体像をお伝えしました。

今回は、具体的にどのような変更が検討されているのか、そして中小企業にどのような影響があるのかを詳しく解説します。

2027年労働基準法改正の具体的な変更点

現在検討されている改正内容のうち、特に企業への影響が大きいものを詳しく見ていきましょう。

変更点①|労働時間の把握・開示が義務化

何が変わるのか

現行法では、労働時間の把握は「安全衛生の観点」から求められていますが、今回の改正では労働基準法上の義務として明確化される見込みです。

具体的には以下のような対応が必要になると予想されます。

  • 客観的な方法(タイムカード、ICカード、PC記録等)での労働時間把握
  • 管理監督者を含む全従業員の労働時間記録
  • 一定の情報開示義務(検討中)

中小企業への影響

紙のタイムカードや自己申告制で管理している企業は、勤怠管理システムの導入を検討する必要があるかもしれません。

ただし、いきなり高額なシステムを入れる必要はありません。クラウド型の勤怠管理サービスなら、月額数千円から導入可能なものもあります。

変更点②|14日以上の連続勤務が禁止に?

何が変わるのか

現行法では、変形労働時間制を活用すれば最大48日間の連続勤務も理論上は可能です。

今回の改正では、「14日以上の連続勤務の禁止」が検討されています。これが実現すれば、どのような勤務形態でも最低2週間に1回は休日を確保する必要があります。

中小企業への影響

特に影響が大きいのは以下の業種です。

  • 飲食業:繁忙期のシフト調整が必要に
  • 小売業:年末年始・セール期間の人員配置見直し
  • 介護・医療:夜勤シフトの再設計
  • 建設業:工期が集中する時期の対応

「人手が足りないから連続勤務で乗り切る」という対応ができなくなるため、計画的な人員配置と採用がより重要になります。

変更点③|フレックスタイム制がさらに柔軟に

何が変わるのか

フレックスタイム制の清算期間が、現行の最長3か月から、さらに拡充される方向で検討されています。

また、コアタイムの設定要件緩和など、より使いやすい制度への見直しも議論されています。

中小企業への影響

フレックスタイム制は大企業だけの制度ではありません。

  • 子育て中の社員が保育園の送迎に合わせて働ける
  • 繁忙期と閑散期で労働時間を調整できる
  • 通勤ラッシュを避けた働き方ができる

改正を機に、「うちには関係ない」と思っていた制度を検討してみるのも良いかもしれません。

変更点④|労使協定の締結単位が変わる

何が変わるのか

36協定などの労使協定は、現在事業所ごとに締結する必要があります。

改正後は、企業全体や事業部門単位での締結が可能になる見込みです。

中小企業への影響

複数の事業所や店舗を持つ企業にとっては、手続きの簡素化につながります。

一方で、事業所ごとの実態に合わせた細かい調整が難しくなる面もあるため、自社に合った運用方法を検討する必要があります。

企業規模別|労働基準法改正への対応ポイント

改正への対応は、企業規模によって優先順位が異なります。

従業員50人以上の企業

  • 勤怠管理システムの見直し・導入検討
  • 就業規則の改定準備
  • 管理職への教育・研修計画

従業員10〜49人の企業

  • 現行の労働時間管理方法の確認
  • シフト勤務がある場合は連続勤務の実態把握
  • クラウド勤怠システムの情報収集

従業員10人未満の企業

  • まずは改正内容の情報収集
  • 現行の勤務実態の把握
  • 専門家への相談体制の確保

まとめ|今から始める準備が重要

2027年労働基準法改正の主な変更点をまとめます。

変更点影響が大きい企業
労働時間の把握義務化紙管理・自己申告制の企業
14日連続勤務禁止飲食・小売・介護・建設業
フレックス制度拡充多様な働き方を検討中の企業
労使協定の締結単位変更複数事業所を持つ企業

「法律が決まってから」ではなく、「法改正を見据えて」、早めに準備に取り掛かりましょう。

次回は「今から始める準備チェックリスト」をお届けします。具体的に何をすればよいか、ステップごとに解説しますので、ぜひご覧ください。

▼シリーズ記事▼

  • 第1回:労働基準法大改正の全体像
  • 第2回(本記事):具体的な変更点と企業への影響
  • 第3回(3月公開予定):今から始める準備チェックリスト

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