【労務情報】カスハラ対策待ったなし③

【第3回】効果的なカスハラ対策と予防策の実践

前回はカスハラの基礎知識と企業が直面する課題についてお伝えしました。今回は、企業が実施すべき具体的な対策について解説します。

基本的な対策の枠組み

効果的なカスハラ対策には、以下の6つの要素が重要です。

1. 基本方針・姿勢の明確化 企業がカスハラに屈することなく従業員を守る姿勢を明確に示すことで、従業員が安心して働ける環境を構築します。

2. 対応手順の標準化 現場で迅速かつ適切な対応ができるよう、対応方法や手順を明文化したマニュアルを作成します。カスハラの行為別(時間拘束型、リピート型、暴言型など)に具体的な対応方法を定めておくことが効果的です。

3. 相談体制の整備 2020年に設置が義務化されたハラスメント相談窓口を活用し、カスハラの相談も受けられる体制を整えます。相談窓口の担当者には、事実関係の把握や被害従業員への配慮など、慎重な対応が求められるため、定期的な教育が必要です。

4. 従業員教育の実施 カスハラに関する知識、対応方法、相談窓口の周知、自身が加害者にならないための教育を定期的に行います。

5. 被害従業員への配慮 被害を受けた従業員だけに対応を任せず、複数名または組織的に対応し、プライバシーにも配慮します。

6. 継続的な改善 社内体制やルールを定期的に見直し、適切な体制づくりを継続します。

取引先との関係における対策

取引先とのカスハラについては、日頃から健全で良好な関係を維持することが重要です。カスハラを受けた場合は、自社の被害状況を確認したうえで取引先に事実確認を依頼します。逆に、自社従業員が取引先にカスハラを行った場合は、速やかな事実確認と適切な懲戒処分、誠実な謝罪と再発防止策の実施が必要です。

対策の効果と重要性

厚生労働省のデータによると、適切なカスハラ対策を実施している企業の従業員からは「カスハラ行為者に対して落ち着いて対応できた」「安心して働けるようになった」「好ましくない顧客が来なくなった」などの声が聞かれています。

カスハラ対策は従業員を守るだけでなく、企業の生産性向上や離職防止、ブランドイメージの保護にも繋がる重要な経営課題です。

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