AIが「もっともらしい嘘」をつく? ― 知っておきたい落とし穴「ハルシネーション」

便利なAIですが、業務で使うならぜひ知っておいてほしい落とし穴があります。それが「ハルシネーション」です。

ハルシネーションって?

ハルシネーション(hallucination)とは、AIが事実でないことを、まるで本当のことのように、もっともらしく答えてしまう現象のことです。

やっかいなのは、自分がよく知らない分野ほど見抜きにくいこと。AIの回答はいつも自信たっぷりで、文章も整っているため、「それっぽい」だけで信じてしまいがちなのです。

実際にあった話:「実在しない判例」

たとえば、ハラスメントの研修資料を作ろうと、AIに「過去に問題になった判例と、そこから導ける注意点を教えて」とお願いしたとします。

すると、AIはいくつもの判例らしきものを、それらしく挙げてくれます。「これは使えそう」と思って、念のため裏取り(出典の確認)をしようとすると――どこを探しても、その判例が見つからない。

AIに「本当にこの判例はありますか?」と問い直すと、「ごめんなさい、誤りでした」と返ってくる。つまり、最初から存在しない判例だったのです。

判例や法律のように「正確さが命」の情報ほど、ハルシネーションは危険です。

業務で安全に使う3つのコツ

コツ内容
事実は必ず一次情報で確認法律・判例・数字などは、官公庁サイトなど元の情報源で裏取りする
「たたき台」として使うAIの回答は下書き。そのまま使わず、必ず人間が内容をチェックする
聞き方を工夫する「事実だけで答えて」「出典(URL)も示して」と指示すると精度が上がりやすい

まとめ

AIは、使い方さえ間違えなければ、業務を大きく助けてくれる頼もしいパートナーです。大切なのは、AIを「物知りな新人」くらいに思って付き合うこと。仕事は任せても、最後のチェックは必ず人間が行う――この一線を守れば、ハルシネーションは怖くありません。


やえざき事務所では、AIを業務で使う際の社内ルールづくりや、就業規則の見直しなどのご相談を、スポット(単発)でもお受けしています。お気軽にお問い合わせください。

上部へスクロール